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zoom RSS しとやかな獣(1962)

<<   作成日時 : 2014/06/10 17:21   >>

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団地暮らしの元海軍中佐(伊藤雄之助)と妻(山岡久乃)は、娘(浜田ゆう子)が愛人(山茶花究)から貰う金と息子(川畑愛光)が勤め先の芸能プロから使い込んだ金で暮らしていた。ある日、芸能プロの社長(高松英郎)が会計係(若尾文子)と歌手(小沢昭一)を連れて怒鳴りこんでくるが・・・
新藤兼人の脚本を川島雄三監督が撮った。全編、主人公一家が住む団地の一室のシーンであり、舞台を見ているような気分である。そこを様々なアングルから人物たちを舐めるように撮っていく。只、その間に二箇所ほど階段を登り降りしながら高松英郎と若尾文子が独白するシーンが有る。その独白に観客は耳を傾けてしまう。実に巧みな演出である。
全体としては、子供を抱えた未亡人の会計係という一番の弱者の顔をした若尾文子が、実は一番強かでほぼ無傷で大金を着服して、新しい生活へ踏み出していく話だが、この大悪党に負けず劣らず出演人物一人一人がどうしようもなく「悪い」。そしてそのことを恥じるどころが堂々としている。この映画の中では明らかに騙される方が悪い。最後には追い詰められた税務署職員(船越英二)が自殺するが・・・
元軍人の主人公が「あの貧乏な頃に戻りたいのか」と怒鳴る場面が何回も出てくる。明らかに、敗戦で不条理に金も無くなったことへの個人的復讐が原動力になっている。団地に住み、米食を批判する姿は真に昔の生活はもう懲り懲りということであろう。
善悪の基準を失ったまま荒野に投げ出されたような気分を大部分の日本人は敗戦で味わった。それに対する復讐心が戦後の経済成長を支えたと言っても良いのだろう。そういう時代の空気を敏感に感じ取って喜劇にしてしまう新藤兼人の冷徹な感性と、重いテーマを難しいと感じさせることなくテンポよく映像化する川島雄三の技量が融合した稀代の大傑作と言えよう。
俳優陣も豪華だ。出番の少ない役に小沢昭一やミヤコ蝶々を配して笑いを取る辺り念が入っている。

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