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zoom RSS 飢餓海峡(1964)

<<   作成日時 : 2014/11/26 11:10   >>

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北海道で強盗放火事件が起きた。三人組の犯人の二人は青函連絡船の沈没事故の犠牲者の中に見つかった。刑事(伴淳三郎)は犯人(三国連太郎)を追って青森の娼婦(左幸子)を尋ねるが手がかりがつかめない。十年後、娼婦は東京で犯人が舞鶴にいることを知り会いに行くが・・・
水上勉の原作を、内田吐夢監督が撮った。まず驚かされるのが十六ミリフィルムで撮った画面である。より明瞭な美しい画面造りを目指してきた映画の歴史をに逆行するような粗いゴツゴツした画面は、この物語を効果的に見せている。 「見えないところを見せる」という映画であることを宣言しているのかもしれない。
全体として三時間強の作品であるが、決して長くは感じない。それはサスペンスとしての構成の巧さから来るものだろう。原作の素晴らしさは勿論だが、映画での臨場感がより緊張を高めている。
人間物語としてみると主人公は犯人でも刑事でもなく、娼婦である。行きずりの犯人から手渡された大金で貧しさから抜け出して、東京で新しく人生をやり直そうとする彼女の姿は、その時代を生きた日本人全ての姿なのかもしれない。だからこそ、観客は娼婦に肩入れし、犯人を憎む事は出来ない。犯人も又、大金を手にし北海道から本州に渡る事で善人として生き直そうとする。その犯人の人生が、最後には破綻してしまうのは実に悲しい事である。
映画の中で十年の歳月が流れるのだが、十年後の事件を捜査する舞鶴の若い刑事(高倉健)等には、十年前から捜査している刑事と違い、犯人の心が理解しきれない。終戦直後の貧しさを知るものと知らないものの対比は中々興味深かった。その橋渡しをする警察署長(藤田進)の存在感が大きかった。
左幸子の演技は見事としか言いようがない。女性の弱さと強さを非常に上手く演じきっている。刑事役の二人にコメディーをしない伴淳三郎とアクションをしない高倉健を据えて、不器用かつ実直な人間を演じさせたのは監督の上手い狙いだったように思われる。



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
厳密に言うと、原作も映画も時代設定がずれているのですが、そんなことを問題にしない迫力がありますね。それは、戦前から戦中、戦後と、満州まで流れてき、帰国後も家族とは別れて一人でいた内田吐夢の人生の深さが反映されていると思います。
さすらい日乗
2014/12/26 14:58

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