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zoom RSS 黒木太郎の愛と冒険(1977)

<<   作成日時 : 2014/12/15 08:55   >>

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定時制高校に通っている俺(伊藤裕一 )の友達(太田聖視)の叔父にあたる黒木太郎(田中邦衛)はスタントマン。ある日知り合いの集金人(伴淳三郎)が亡くなったので、遺骨を届けに唖の娘夫婦(杉本美樹、岡本喜八)を尋ねると、そこには二階に猫を何匹も買っている下宿人(緑魔子)が住んでいて、大量の蚤のおかげで床屋に客が入らなかった。そこで、黒木太郎が出かけていき、追い出すことに成功した・ ・ ・ 。
野呂茂雄の原作を森崎東監督が撮った。これまでの森崎監督の作品と異なり、軽妙さには欠ける重たい作品である。気分がスカっとするような喜劇を期待して行った向きには裏切られた感が強かったと思う。しかしながら、本当に作りたかった映画はこういう映画だったんだろうと思うと色々と合点が行く。
途中、三國連太郎扮する復員兵の主人公の父親が戦友の墓の前で割腹自殺をし、「遺書」を残していく。その遺書を読みながら主人公は黒木太郎の敵討をする訳だが、その中には国家に殺された民衆の怨念が面々と綴られている。それは、実際に敗戦後すぐに「御国の役に立たず」と言って割腹自殺した監督の実兄からヒントを得たことは明々白々である。その兄を死に追いやった動議なき変節を繰り返す国家権力への反骨精神こそ、監督が映画を作る力の源であることを吐露した作品と言えよう。
上辺を繕い、自分の利益や体面だけを考えて利益を得る人達の対極にいる存在が、この映画の黒木太郎であり、森崎映画の登場人物なのだろう。そう考えると、見ていて身の引き締まる思いがする作品である。思えば喜劇映画の主人公はいくら愚かで人に迷惑をかけていても、どこまでも実直で無ければ務まらない。そういう精神こそが森崎監督の作る物を喜劇たらしめているのであろう。
黒木太郎を演じている田中邦衛は、監督が田中をイメージして書いた脚本だという通りの嵌り役である。そこに倍賞美津子、清川虹子、沖山秀子等お馴染みの女優が絡むのだから面白くない訳がない。只、素人に近い教え子達を俳優を使っているが、周囲の俳優達があまりに芸達者なので浮いているのが残念である。岡本喜八監督の演技も見物。
財津一郎扮する大家が口癖のように言う「鶏は裸足よ」というのは当たり前のことだという意味の昔からの諺である。この世の中、強い者は強く弱い者は弱い、それは当たり前なんだけどね・ ・ ・という話である。そういえばこの監督に「ニワトリはハダシだ 」という映画もある。



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