声優志望の女性(井上真央)は、幼い時から両親と別れて兄(松田龍平)と、二人で暮らしていた。そこに突然、母(余貴美子)が転がり込んできた。母親の顔さえ覚えていなかった娘は、どう接していいか分からず、冷たい言葉をかけてしまうのであった。やがて、母は肝臓癌で亡くなってしまう。・ ・ ・ 吉田恵輔監督作品。どこにでもある親子の葛藤と情愛を淡々と描いた佳品。本作品の特徴は、母親からの視点が全くなく、もっぱら娘の成長物語として描かれているところである。母親の故郷に納骨に行った時の話が主な話になるのだが、娘の知らなかった母親の姿を知って成長するというところは、非常にオーソドックスで、そこに特別な工夫がある訳でもない。しかし、誰もが覚えの有る感情なので、多くの人の共感を得られる物になっている。 只、そこで娘が目にするのは、自分が経験できなかった普通の親子の情愛であったり、自分の母親と同じように子供と別れて暮らしている女(麻生祐未)の生き様である。ここで出てくるエピソードの中に一つでも自分の母親だけが持っていたコンプレックスのようなものが説明されていればもっと物語としては生き生きとしたものになったかもしれない。もう一点は、なぜ子供を捨てなければならなかったのかを説明出来ていないのも物足りない。 周りのキャストが芸達者なので、目立たないが、主人公と母親の若い時を演じた井上真央の演技はもう一工夫欲しかった。 公式サイトはこちら。 |
<< 前記事(2015/03/10) | ブログのトップへ | 後記事(2015/03/12) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|
<< 前記事(2015/03/10) | ブログのトップへ | 後記事(2015/03/12) >> |