原爆の子(1952)
広島への原爆投下によって家族を失った女性(乙羽信子)は、親戚を頼って近くの島で教員をしているが、夏休みに広島に行ってかつて幼稚園で教えていた子供達に会いに行った。そこでかつての使用人(滝沢修)が眼が見えなくなり物乞いをしているのに出会った。 ・ ・ ・
広島で被爆した子供達の文集を下に、新藤兼人監督が撮った。原爆そのものの悲惨さよりも被爆者のその後の生活の大変さを中心に描いているので、全体的に静かなトーンの作品に仕上がっている。その上、主人公の身上の悲劇を描くことなく、あくまでも傍観者として振舞っているので、作品全体の迫力という意味では他の作品に及ばないかもしれない。只、原爆の悲劇は投下された直後のみならず、長く続くものであることを示唆している貴重な作品である事は間違いない。教え子を次々と訪ねていくという構成なので、一人一人のエピソードが薄っぺらくなってしまった点は否めない。使用人とのエピソードも主人公が息子を引き取るという申し出をしたことが結果的に彼を追いつめたようにも思えて単純には感動出来なかった。
まさに復興中の広島の姿が見える貴重な作品である。キャストは、大半を滝沢修、宇野重吉、北林谷栄、奈良岡朋子など劇団民芸で占めており、安心して見ることが出来る。


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